2009年8月3日シャンタル・リュウ@Nogent-sur Marne

2009年8月3日シャンタル・リュウ@Nogent-sur Marne

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 ここに来るのは、おそらく最後になるだろう。2006年以来、何度もここに通った。かつてはプーランクが、この町の叔父の家に滞在していたらしい。
 いつでも笑顔を絶やさない、年齢を重ねても強くて美しいシャンタル先生。この日はいつになくご機嫌がよく、おそらくその頃ご自分でも演奏されていたアンリ・トマジ(Henri Tomasi)というコルシカ人作曲家の曲をいくつも弾いてくれた。先生のご自宅にあるペトロフ社製のピアノは、あまり状態がいいとはいえず、極めて弾きづらいのであるが、先生が弾かれると、まるで別の楽器であるかのように綺麗に鳴るのだ。シャンタル先生は、いわゆる世界的なスターピアニストではないかもしれないが、音楽とは別の本業で滞在しているにも関わらず、このような本物のピアニストに指導を受け、お近づきになり、お人柄や、音楽を通しての様々な価値観を共有できるパリという街の魅力、またシャンタル・リュウというピアニストの魅力と思い出は、私の人生と共に一生ついて回るだろう。