4月28日セミナー@Salle Joliot
ジョリオ=キュリー記念講義室で、IBMチューリッヒの研究者によるセミナーがあった。この講義室にはイレーヌとフレデリック・ジョリオ=キュリー夫妻の写真や実際に使った実験器具などが展示されている。
講演の内容は、超微細粒子のボトムアップ技術についてであった。彼らの技術の中で、単純作業を永遠と続けなければならないプロセスを紹介したところ、ヴィオヴィ先生が”We need a Chinese student to do it”と冗談をおっしゃった。フランス人なら面倒くさがり、絶対にしないであろう頭を使わない単純作業も、中国人はひたすら続けるという、ある種の偏見からの皮肉である。一昔前はJapaneseだったのであろうが、今はChineseなのである。その講義室にいた十数名の研究員、大学院生の中で、その皮肉の意味を即座に理解できたのは先生と私の2人だけだったようで、その場で2人だけで不本意にも噴き出してしまった。アメリカや日本でならば問題になるかもしれない、際どい発言である。悪気があって言った訳ではないのであろうが、未だに色濃く残る人種による偏見の一郭だろうか。