1月26日ベレゾフスキ&フランス国立管弦楽団@シャンゼリゼ劇場
晩はシャンゼリゼ劇場でフランス国立管弦楽団とボリス・ベレゾフスキによるプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番。10年程前、鹿児島で彼のソロリサイタルを聞いた時、それ自体が芸術的ともいえる程素晴らしい超人的テクニックに魅了されて以来、彼のピアノを生で聴いた。
オーケストラが後ろにさがって殆ど聴こえないような錯覚を受けた程、彼のピアノは恐ろしく存在感があった。オーケストラと少し間合いがずれたら、指揮者を見ながら歩調を合わせるなど、絶えず演奏をリードしていた。巨漢のロシア人である彼に完全に支配されたピアノからは、通常のピアノ演奏からは聴くことのできない規格外ともいえる音が鳴っていた。グリュッサンドでは、オーケストラのどの楽器だろうと思ったほどであった。ピアノ一台がオーケストラにとってかわった様な錯覚を受ける程、多彩でスケールの大きい演奏だった。