11月17日フジコ・ヘミング@Salle Gaveau:11月21日ミシェル・ダルベルト@シャンゼリゼ劇場

11月17日フジコ・ヘミング@Salle Gaveau:11月21日ミシェル・ダルベルト@シャンゼリゼ劇場

芸術

 17日はイングリット・フジコ・ヘミングのピアノリサイタル@サル・ガヴォー。サル・ガヴォーはこれまで歴史的なピアニスト達がこのホールで演奏している映像をDVDなどで見たことがあり、別世界のことのような存在であったので、私にとってはその場所にきただけでいっぱしの観光だった。客層は、日本大使館の宣伝による集客がほとんどだったようで、音楽家や音楽愛好家ではなさそうな日本人ばかりだった。老齢な彼女の指は、もはやプログラムのどの曲も弾き通すことができず、初めは痛々しく感じたが、プログラムの終わりに近づき、ほとんど弾けないことに耳が慣れてきた頃、ようやく彼女独特の血の通った、ホールの奥まで届くしぶとい音に一つの世界を感じることができ、最終的にはそれなりの満足感が得られた。
 21日はシャンゼリゼ劇場でミシェル・ダルベルトのシューベルトリサイタル。構成がしっかりした全く乱れない素晴らしい演奏で、シューベルトのソナタ3曲を3時間ほどもかけて演奏。一度も飽きることなくきき通すことができた。彼の音はシャンゼリゼ劇場最上階末席まで届くとてもしぶとく伸びる音だった。終電を逃さないか気になったが、12時前に帰宅できた。