2008年11月30日Palais de la decouverte

2008年11月30日Palais de la decouverte

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直訳すると「発見の宮殿」。 アルフレッド・ノーベルの特別展の企画でフランス人のノーベル賞受賞者5人の講演シリーズがあった。この日は、数年後ドイツのリンダウでお目にかかることになるジャン=マリー・レーン教授(1987年ノーベル化学賞)の講演。一般向けの講演だったので、宇宙の歴史や科学の歴史から入り、歴史上の人物を紹介したり、逆に我々科学者は普段の研究活動を通じてあまり聞く事のできない、興味深い講演だった。その中に美術や文化思想を巧みに織り交ぜながら話を進めていく講演から、博士の、ひいてはフランス科学者の、オタクではない教養と文化レベルの高い学者魂を感じた。最後はイヴの有名な絵をお見せになり、「イヴが実を食べた時が科学の始まりだ。最初の科学者は女性だった」とのウィットに富むジョークで締めくくった。
 Palais de la decouverteの建物はその名の通り宮殿で、美術館、博物館と一緒に科学博物館が常設されている。まるでギリシャ神殿のようなアンティークな建物に、最新の科学技術に関する展示を入れているところがとてもフランスらしい。その昔、フレデリック・ジョリオ=キュリー先生が、「人間は芸術と科学、両方が平衡をたもっていないといけない」と述べられたが、それがもはや不可能であると思われるほど専門が細分化した現代において、その精神を無理やりにでも、どうにか見える形で表そうともがいているような印象をうけた。
そのフレデリック・ジョリオ=キュリー先生がルーブル美術館を借り切って学会を開催した際、研究者達が展示物である大盃盤を灰皿につかったり、石像の胸にパラをさしたり気軽に古代彫刻に触れているのをみて、湯浅博士が「科学と芸術の融合」「大変興味深い」と述べられていたのを思い出した。