8月14日~ 生物物理夏の合宿@Carges
この合宿には、アメリカのハーバード大学、イスラエルのワイツマン研究所などから超大物研究者達が講師として呼ばれ、講義中のみでなく、食事やビーチバレーをしながらも彼らと討論をすることができた。講師も生徒も生物系分野の出身者はほとんどおらず、ほぼ全員物理系のバックグランドを持つ研究者達だった。早朝と夕方のみレクチャーがあり、それ以外は全くの自由時間だった。
講師を含めた参加者で黄色人種は日本人、中国人、琉球人がそれぞれ1人ずつだった。初日の自由時間はインド人達と卓球をしながら様々な情報交換を行った。複雑怪奇な数学を操りそうな勝手な印象をうけるのは、思い込みだろうか。彼らの中での英雄はやはり、天才数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンとインド人唯一のノーベル賞受賞者である物理学者のチャンドラセカール・ラマンであるらしい。
金曜の晩は、真っ暗なビーチで若手研究者で宴会を企画し、様々な国から参加している同世代の研究者らと、それぞれの国での研究環境などについて、色々と語りあった。アメリカから来た方は、彼の研究室でも、大変勤勉な大学院生が素晴らしい研究成果を量産しているが、彼にはまだ学位を与えられず、その栄誉は全て上司である教授が受けていると嘆いていた。どこの国でも似たようなことは起こるものである。因みに、優秀な大学院生や研究員に、学位を授与しなかったり、良いポストを得る事を妨害したりして自分の研究室に縛り付け、成果を搾り取ることを日本では「飼い殺し」と呼び、教授達の口から頻繁に聞かれる用語である。実験系やモノづくり系分野では、いかに優秀な若手を多く飼い殺しにして業績を集めるかが偉くなるための唯一の王道であり、若手にとってはいかに飼い殺しにあわないために実験をせずに出世をするかが研究者ゲームの神髄である。そのため、良い成果を出す日本の若手はこの世界ではまず生き残れない。