8月13日ニースからコルシカ島へ
朝ホテルをチェックアウトし、ニース港から高速フェリーでコルシカ島のナポレオンが生まれた街、アジャクシオヘ向かった。コルス=デュ=シュド県のカルジェーズ市にて、キュリー研究所(フランス)とマックス・プランク研究所(ドイツ)が共同主催する生物物理学研究者の夏の合宿へ参加するためである。ニースで趣味の音楽を学んだ次は、コルシカ島で本業である科学のサマースクールで生物物理を学ぶ形になった。その日は波が高かったため、高速船が低速運行し、だいぶ到着が遅れた。現地でバスへの乗り継ぎに数時間も遅れ、その日のうちに開催施設へ到着できないのかと心配したが、港で同じ講習会に参加するウクライナ人研究者カップルにばったり遭遇し、一緒にタクシーでバス停へ向かうことができた。幸運にも高速船が遅れたという知らせを受けてか、バスが我々の到着を待っていてくれたため、バス停でキュリー研の同僚達に合流することができた。
ウクライナ人達は、この時も、合宿期間中も終始一貫してロシア人以上に表情を変えず、常に険しい顔つきと態度をみせていた。抑圧された民族にありがちなお国柄であろうか。
バスで講習会が開催される施設に到着し、皆で部屋割りを決めた。キュリー研の同僚でイタリア人のパオロ君のドイツでの同僚、ドイツ人のトビアス君と同じ部屋になった。彼らは日本人の様に、毎日シャワーを浴びる習慣がないので、特に夏には鼻につく体臭を放つ者も多い。旅を終えて施設について、そのままベッドに入ったトビアス君は、強烈な悪臭を放っていた。この日はさすがに疲れがたまっていたため、パニーニを食べに外出した後、晩はすぐに寝むりについた。