6月11日ワイマール

6月11日ワイマール

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 この日は知人夫妻と鉄道で文化の都ワイマールへ。リストやメンデルスゾーンが宿泊していたホテル・エレファント前の広場で昼食をとり、フンメル、シラー、ゲーテのお墓参りをした。一番楽しみにしていたリスト博物館は残念ながら閉館していた。ここは個人の所有物なので、持ち主の気まぐれにしか開館しないそうである。ここを訪れたというリストファンの知人を何人か知っているが、その中で館内を見物できた人の話はまだ聞いたことがない。かつてリストが住んでいたこの住宅は、何度も写真でみたことがあり、この地に来たことをゆっくりかみしめ、残念ではあったが次の機会に思いを託した。運の悪いことに、シュバイツァー博物館も閉まっていたが、小道を歩いていると突然ポーランドの詩人ミケウィッチの胸像が現れるなど、まさしく様々な文化人の痕跡に出会うことのできる、文化の都にふさわしい街だった。

 パリの職場ではイタリア人に囲まれた生活を送り、ラテン系の文化や感覚に馴染んでいた私にとって、日本人が特に科学と音楽において明治時代から取り入れてきたゲルマン文化の崇高さと偉大さを思い出させてくれる旅だった。