3月16日知人来パリ&ソルボンヌで学生蜂起

3月16日知人来パリ&ソルボンヌで学生蜂起

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  この頃はすでに数え切れないほどの知人がパリを訪問し、キュリー研究所やその周辺の案内をこなしていた私の中では、訪問者の時間的余裕に対応した案内コースとそれに対応した記念写真撮影スポットが幾通りも用意されていた。30分コース、1時間コース、1時間半コース、夕食付コースなど、通常時間の限られた中で訪問してくれる彼らに、彼らの興味や状況に合わせた最も効率の良い案内をすぐに用意できるようになっていた。大学時代のサークルの後輩とその友達が、旅の途中半日だけパリに立ち寄ってくれた。1時間半だけしかご一緒する時間がなかったが、一時間半コースで、キュリー研、パンテオン、ソルボンヌを急ぎ足で案内した。
 ちょうどソルボンヌに向かった時、学生のデモ隊にに遭遇した。大学を機動隊が封鎖していた。ソルボンヌ前のサン・ミッシェル通りは学生のデモ隊と武装警官が小競り合いをしており、煙が立ち込めた中でビンの割れる音が聞こえたり、なかなか迫力があった。この時の暴動の趣旨が何であったか、今となっては知る由もないが、自分たちの主張を行動でもって示すフランスのこれらのデモやストライキの文化にある種の合理性を感じた。科学技術立国を自称する日本で研究者・技術者が世界に類を見ない程の不遇を受けていることは、世界の科学界ではよく知られている事であったが、その全理系人材が1週間でもいいのでストライキを起こせば、日本社会は麻痺し、理系人材への待遇が改善されるのではないかと思った。