3月18日エリック・ハイドシェックマスタークラス@スコラ・カントロム

3月18日エリック・ハイドシェックマスタークラス@スコラ・カントロム

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 土曜休日。キュリー研から徒歩数分のところに、スコラ・カントロムという音楽学校がある。そこで、フランスを代表する歴史的大ピアニスト、アルフレッド・コルトー最後の弟子の一人で日本にもしばしば来日公演を行っているエリック・ハイドシェック氏のマスタークラス(公開レッスン)を聞きに行った。因みにハイドシェック氏は、シャンパーニュ地方のランス生まれで、有名なシャンパン醸造元シャルル・エドシーク(英語読みでハイドシェック)家の御曹司でもある。以前お会いした時に、是非聞きに来てくれと誘われての訪問だったので、中休みに楽屋に顔を出したら喜んでくれた。彼は誰に対しても気さくに接する方で、その後フランスで何度かお会いする機会があったが、いつも顔を覚えていてくれて、彼の方から声をかけてくれることすらあった。この時、スコラ・カントロムという以前から聞いていた音楽学校が職場のすぐ近くにあることを知り、またそのこじんまりとした趣のある、まるで使い古された個人の邸宅跡のような雰囲気の中で歴史的な音楽家達が後進の指導にあたっていることが、キュリー研の趣と重なって映った。その後様々な機会にここを訪れる機会があり、お気に入りの場所の一つになった。
 後年、2度目のパリ滞在時に、ザルツブルクで指導を受けたガブリエル・タッキーノ氏も後日ここで教えることになり、私に彼のクラスに参加しないかと誘われたが、既にアメリカ行きが決まっていたため断らざるをえなかった。もしそれが1年早ければ、私はキュリー研で仕事をした帰りに、スコラ・カントロムでタッキーノ氏のレッスンを受けるという、思いつくことすら不可能なくらい贅沢な、二束わらじの生活を送っていたかもしれない。但し、そこまでピアノにのめりこんでしまっていたら、おそらく私の職業上のキャリアは壊滅していたであろうことを考えると、それが実現しなくてよかったと、今では思う。