2008年12月3日ギャルドン先生レッスン
いつもの通り地下鉄Liege駅から、先生のご自宅へ向かった。今日はフランツ・リスト作曲の「誌的で宗教的な調べ」から「祈り」と、伊藤康英氏作曲の「ぐるりよざ」ピアノ独奏版を聴いて頂いた。リストは昔から弾きこんでいた曲であったので、今年初めて「ブラボー!」と褒められた。後者は練習が進んでいなかったので正直にそう申し出て、テクニカル面をご指導頂いた。
「ぐるりよざ」という曲を大変気に入ったようで、レッスン中に2度ほど「コンクールにいい曲だ」とつぶやいておられた。先生の門下生から、ロン=ティボー国際コンクールの優勝者が出たほど、生徒をコンクールで成功させる教育手腕で世界的に高名な先生だけに、コンクールで有利になる新曲には常に興味をもっておられたようだ。
その日は先生のご機嫌もよく、私のピアノを応援して頂き、今後勉強するにふさわしいお薦めの曲もいくつか頂いた。人生であと何回ここを訪れることができるだろうか。先生からは、音楽を通して一流の価値観、品格、感性や精神面を磨いて頂ける、この類まれなるご指導を通じ、本物や一流を見抜く力、ひいては物事の本質や一番大切の部分を見抜く感性を磨いて頂いたと思う。この貴重な体験を、一度でも多く受けられることを願う。